Webマーケティングの指標と用語|中小企業が押さえる数字の見方3つ

「報告書は毎月届くけれど、CPAやCVRといった言葉の意味が分からないまま『了解しました』と返している」
Webマーケティングの指標について、こう打ち明けられる経営者は少なくありません。用語が分からないままでは、費用対効果の話し合いができません。この記事では、報告書によく出てくる指標と用語の意味、そして中小企業が数字を読むときの3つの視点を整理します。
もくじ
Webマーケティングの指標が読めないと、どこで判断を誤るか
指標は、暗記するためのものではなく、社内と外注先が同じ数字を同じ意味で話すための共通言語です。
ここがずれていると、同じ報告書を見ていても結論が食い違います。
たとえば「アクセスが増えました」という報告。
増えたのがPV(ページの表示回数)なのか、UU(訪れた人数)なのかで、意味はまったく違います。
同じ人が何度も見に来ただけでも、PVは増えるからです。
人数は増えていないのに「順調です」と受け取ってしまえば、打つべき手を見誤ります。
もうひとつ多いのが、途中の数字だけで判断してしまうケースです。
「クリック単価が下がりました」と言われれば良い話に聞こえますが、クリックした人が誰も問い合わせなければ、事業としては何も改善していません。指標には「途中経過を見るもの」と「最終成果を見るもの」があり、後者まで確認して初めて判断ができます。
アクセス数の用語|PV・セッション・UUの違い
まず、アクセス解析でもっとも混同されやすい3つです。
- PV(ページビュー):ページが表示された回数。1人がトップページ→商品一覧→商品ページ→カートと4ページ見れば、4PVです。同じページを見直せば、その分も加算されます
- セッション:サイトに来てから離れるまでを1回とする、訪問のまとまり。何ページ見ても、離脱しなければ1セッション。いったん離れて後からまた来れば、2セッションです
- UU(ユニークユーザー):集計期間内に訪れた人数。同じ人が期間中に何度訪問しても1UUで、別の人が来て2UUになります
見ている対象が、ページの表示回数・訪問の回数・訪問した人数とそれぞれ違います。
だから「アクセスが減った」という話をするときは、この3つのどれが減ったのかを必ず確認してください。人数(UU)は横ばいでPVだけ減ったのなら、来る人は減っておらず、1回の訪問で見られるページ数が減っただけ、という読み方になります。
広告の指標|imp・CTR・CPC・CVR・CPAは1本の流れでつながっている
広告の報告書に並ぶ指標は、バラバラの用語ではなく、「表示される→クリックされる→成果になる」という1本の流れを、それぞれ別の角度から切り取ったものです。具体的な数字で追うと、一度で理解できます。
広告費5,000円で、検索結果に1,000回表示され、100人がクリックし、2件の問い合わせがあった場合——
- imp(インプレッション)=1,000:広告が表示された回数
- CTR(クリック率)=10%:100 ÷ 1,000。表示のうちクリックされた割合
- CPC(クリック単価)=50円:5,000円 ÷ 100クリック。1クリックにかかった費用
- CV(コンバージョン)=2件:成果の件数。問い合わせ・購入・予約など、何を成果とするかは自社で先に決めておきます
- CVR(コンバージョン率)=2%:2 ÷ 100。クリックした人のうち成果に至った割合
- CPA(顧客獲得単価)=2,500円:5,000円 ÷ 2件。成果1件にかかった費用
ここで押さえておきたいのが、CPAは「CPC ÷ CVR」でも計算できるという関係です。上の例なら、50円 ÷ 0.02 = 2,500円。同じ答えになります。
この関係が分かると、打ち手の切り分けができるようになります。 CPAが高すぎるとき、原因は「クリック単価が高い」のか「クリック後に成果につながっていない」のかの2つしかありません。前者なら広告の設定、後者ならページの中身が課題です。「広告を増やしましょう」という提案を受けたときに、まず改善すべきはページのほうではないかと問い返せるようになります。
逆算も使えます。CPAの上限を1,000円と決めていて、CPCが20円なら、必要なCVRは2%以上(20 ÷ 1,000)。この計算ができれば、代理店の提案が自社の採算に合うかを、その場で確かめられます。
サイト改善の指標|直帰率・離脱率・回遊率の見方
サイト側の報告書には、別の種類の指標が出てきます。似た言葉が並ぶため、定義をそろえておくことが大切です。
- 直帰率:来た人が最初の1ページだけ見て帰った割合。広告や検索から来たページの内容が、期待と合っていないときに高くなります
- 離脱率:そのページを最後にサイトを去った割合。何ページ見た後でも、最後がそのページなら離脱として数えます。「どのページで話が終わってしまうか」を見る指標です
- 回遊率:1回の訪問で何ページ見られたか。PV ÷ セッションで計算し、1セッションで3ページ見られていれば300%です
直帰率と離脱率を同じ意味で使うと、直すべきページを取り違えます。
直帰率は「入口のページ」の問題、離脱率は「どこで止まったか」の問題です。
なお、数値が高い・低いだけで良し悪しを決めないでください。 電話番号と地図だけを見に来られる店舗ページは、直帰率が高くて当たり前です。1ページで用が足りているなら、それは成功です。同じように、リピーターの比率が高いという報告も、新規のお客様が減っただけかもしれません。指標は、そのページの目的と照らして読むものです。
中小企業が報告書を見るときの3つの視点
- 「率」が出てきたら、分母を聞く:CTRの分母は表示回数、CVRの分母はクリック数(またはアクセス数)です。分母が変われば同じ率でも意味が変わります
- 前月比ではなく、前年同月比と目標値で比べる:業種によって繁忙期と閑散期の差は大きく、前月比だけでは判断できません
- 途中の指標で報告が終わっていないか確認する:impやCTRだけの報告なら、「CVは何件で、CPAはいくらでしたか」と必ず聞いてください。ここが出てこない報告書は、成果を見ていません
まとめ
- Webマーケティングの指標は暗記するものではなく、外注先と同じ数字を同じ意味で話すための共通言語。PVはページ表示回数、セッションは訪問回数、UUは訪問者数と、見ている対象が違う
- 広告の指標はimp→CTR→CPC→CVR→CPAという1本の流れ。CPA=CPC÷CVRの関係が分かると、広告設定とページ改善のどちらが課題かを切り分けられる
- 直帰率は入口のページ、離脱率はどこで止まったか、回遊率はPV÷セッション。数値の高低だけで良し悪しを判断せず、ページの目的と照らして読む
- 報告書を見る3つの視点は、率の分母を聞く・前年同月比と目標値で比べる・CVとCPAまで報告されているか確認する
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